室内でさわぎ、走り回る子…
静かにしていると思ったら、ゲームや動画ばかり……
いい天気なら、屋外で元気にエネルギーを発散する子どもたち。
しかし、室内で過ごさざるを得ない時にはエネルギーの発散方法も限られてしまいます。
わかってはいるものの、行動を制するために怒ってしまうこともありますよね。
双方ともにマイナスになってしまう状況は避けたいものです。
そのエネルギーを他のものに注ぐことはできないの?
いろいろと試してきた結果…
私のクラスやわが子にも効果的だった「スクラッチアート」を紹介します。
たくさんの「創作に没頭する姿」が見られましたよ!
このページでわかること
・「スクラッチアート」をおすすめする理由【メリット3選】
・やっぱり、デメリットもある…
「スクラッチアート」をおすすめする理由【メリット3選】
・「なぞる」って むずかしい!【巧緻性(こうちせい)の向上】
・座って、静かに取り組む【「集中する」という経験】
・完成品が、きれい!!【達成感・自分もできる!という自信】
「なぞる」って むずかしい!
突然ですが「なぞり書き」してみてください!
なかなかに集中力が必要だと感じられませんか?
「書く」という手先の動作に慣れきっていない子どもたちにとっては意外とむずかしいものです。
逆に「なぞり書き」がしっかりとできるのってすごいことなんですよね。
そんな「なぞり書き」ですが、「ひらがな」や「漢字」で練習するのは気が乗らない……というのは私たちも同じではないですか?(笑)
どうしても「勉強」というイメージが ハードルになってしまいますよね…
でも、遊びながら、本人はそのつもりがなくても練習になるとしたら……?
それってとても、ステキなことではないでしょうか?
むずかしい言い方をすると「巧緻性を高める」訓練になりうるということです。
ペン先で削るものなので、「筆圧」もおのずと必要になりますね。
座って、静かに取り組む
先にお話ししたように、「なぞり書き」ってむずかしいんです。だから、必然的に集中してやらないといけない状況が生まれます。
せっかくなら「きれいに仕上げたい」と思いますもんね。
「えっ? そんなに静かに座って集中できたの……?」
新たな一面を目にすることができるかもしれませんよ。
完成品が、きれい!!
すでに美しいイラストが描かれているシート。
集中して夢中でけずっていくと、どんどんきれいに仕上がっていく……!
「ねえ、見て見て!」「もう1枚!次はこれやってみたい!!」
私のクラスでは、図工の時間があまり好きじゃない、絵に苦手意識をもっている子も、「スクラッチアートなら!」と好んで取り組む姿が見られました。
納得のいく仕上がりだと、自信も高まるようです。
達成感とともに、やり遂げる経験も重ねられますね。
デザインだけでなく、下地がカラフルなもの、ホログラムでキラキラするものなど、いろいろな種類があるので、好みのものを選択する経験になるのもいいですね。
きれいにできると、誰かにプレゼントしたい気持ちもわいてきます。
また、これまで共通点のなかった人とも、このスクラッチアートという共通の取り組みをきっかけに仲良くなるという例も目にしました。
外遊びも魅力たっぷりなのですが、インドア派の子たちの室内での過ごし方も認めてあげたいですよね。
やっぱり、デメリットもある…
・ペン先がとがっている
・コストが……
ペン先がとがっている
子どもたちだけであそんでいると、何が起こるかわからないのが学校の怖いところです。
こんなことを言い出したら何もさせられない!と思うところはあるのですが、視野を広く、あらゆる可能性を考えておく必要はあると考えます。なぜなら……
「ペンを持っている時は歩く」「ペン先を人に向けない」
「何かあったら二度とスクラッチアートはあげられない」
以上のような指導を先にしておけるからです。何か起こってから、後手で指導をしても、子どもたちには驚くほど入っていきませんよね……。
指導もまた「先手必勝」の世界。
何より安全第一ですから、担当されている子どもたちの様子に応じて、採用・不採用を決定してください。
コストが……(救世主はダイソー!)
個人的な取り組みとなると、かかります「コスト」。
しかし、先に述べたようにメリットも大きいので、私は学級に常備していました。
このページではAmazonなど、通販で入手できる商品へのリンクを貼り付けていますが、コスト面で考えるとあまりおすすめはできません。
最もコスパがいいのは「100均」こと、100円均一のお店!!
近所にはDAISOさんしかないのですが、いろいろな種類のスクラッチアートを入手することができます(ダイソーさん、ありがとうございます!)。
やはり学級で使うためには、ある程度の数が必要です。安価でたくさん手に入るのはとてもありがたいですね(ディズニー柄、サンリオ柄などが増えているので、好評の商品なのだと思います)。
おわりに:えっ? 全部削るの!?
スクラッチアート、不思議な消費の仕方をする子もいます。
すてきなデザインを無視して、全部削ってしまう子がいるんですよね(笑)
たいていの子は何枚かやると、普通の楽しみ方をするか、飽きて別の遊びに移っていきます。
これも先手必勝で、「まあ、そんな子もいるよね」という構えをつくっておくことが大切です。
ついつい「なんてもったいない使い方を!!」と言いたくなるところなのですが、怒ってしまっては本末転倒。
それでその子のストレス解消や、やり場のないエネルギーの発散になるのならよいのではないでしょうか。
実は「ぬりえ」「おりがみ」など、定番の遊び道具は、初任のころから常備するようにしていたのですが、「ぬりえ」を仕上げる根気がなかったり「おりがみ」は折り方を知らなかったりと、なかなか生かされる場面がありませんでした。
そこで、他のものを……ということで「スクラッチアート」を準備しました。
先の「デメリット」でも触れたように、これもまた完璧なものではありません。興味を示さない子もいれば、すぐに飽きてしまう子もいます。
ただ、「ぬりえ」「おりがみ」に比べると、ずいぶん好評だったという経験から紹介させていただきました。
アイデアのひとつとして、何かのお役に立てていただければ幸いです。
ちなみに、大人がやっても楽しめます!(アイキャッチ画像も自作です(笑))
お読みいただき、ありがとうございました!!